競争に重きをおかない考えということだが、では、どのようにして将来、迎えるであろう競争に対して 必要な準備ができるのでしょうか?
モンテッソーリのクラスでは、子ども達は自分主導的な学習を経験を通して、自分自身と向き合い、自己に対する観察や修正を重ねながら、学習スキルの向上を目指します。「競う相手は自分」だということができます。そうして、子ども達は早くから、自分の得意なことに対して自信をつけると同時に、不得意なことについても認識しどう対応するか考えることができるようになります。
学年が上がると、子ども達たちはさまざまな「健全な」競争を伴うイベントや活動に参加する機会が与えられます。健全な競争とは、例えば、作文コンテストや運動競技、演奏コンクールなど、明確な「勝者」「受賞者」が存在するイベントです。健全な競争では、参加者それぞれが、決められた同じルールの下、優れたパフォーマンスや結果を出すため切磋琢磨します。
他者との競争が悪だと考えているのではありません。競争で他者に勝つことが、学習の目標やモチベーションになってしまうことは、子どもの成長にとって邪魔だということです。小学校の年齢の子どもたちは、あらゆる情報や概念を旺盛に吸収していきます。学習に対するモチベーションが、内から湧き起こる好奇心や興味、成長したい情熱によるものとなるよう、子ども達をサポートします。